大学概要・組織

学長メッセージ

国立大学法人埼玉大学長

国立大学法人埼玉大学長
上井 喜彦

 埼玉大学は1949年(昭和24年)5月31日、文理学部、教育学部の2学部をもつ新制国立大学として発足しました。その後60年余の歳月を経る間に、教養学部、教育学部、経済学部、理学部、工学部という5学部体制に拡充してきました。また、各学部の上には博士課程に至る大学院が設置されています。いまや埼玉大学は、540名の留学生を含む約9,000名の学生・院生、470名の教員、220名の職員が学び、教え、働く、中堅総合大学へと発展し、今日に至っています。
 いま、21世紀社会は大きな転換期に入っており、「知」の継承・発展と新しい価値の創造を使命とする大学が果たさなければならない役割は、ますます大きくなっています。そうしたおり、本年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴って起こった福島第一原子力発電所の事故が、未曾有の犠牲を生み出し、科学の力の不十分さを見せつけました。この事実を前にして、埼玉大学はこれまでの努力の蓄積に確信を持ちながらも、科学に携わる機関としての責任の大きさを噛み締め、なお一層努力していかねばならないと考えています。
 本学は、創立60周年を迎えた一昨年以来、別記のような基本方針を掲げ、教育・研究・社会貢献の各面で新しい営みに着手してきました。
 教育の面では、学生諸君が高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献できる溌剌とした市民・職業人に成長できるよう、教育プログラムに工夫を加えてきました。その特徴は、5つの学部がすべて一つのキャンパスにあるという点を活かした、ユニークな学士課程教育プログラムにあります。全学開放型の基盤科目や学部横断的なテーマ教育プログラムがその代表的なものです。さらには、一昨年秋、新たに「GY(Global Youth)」という名の特別教育プログラムをスタートさせました。これは、国際社会で活躍できる人材の育成を目的にした少数精鋭のプログラムで、1年間の海外留学やインターンシップを盛り込んでいます。
 研究の面では、一昨年新たに「脳科学融合研究センター」と「環境科学研究センター」を設置しました。これらは、独立行政法人理化学研究所など埼玉県内にある日本有数の研究機関とも連携して、世界の最先端の研究課題に取り組んでいます。
 社会貢献の面では、埼玉県、さいたま市、埼玉県経営者協会と協同して「埼玉次世代自動車環境関連技術イノベーション創出センター」を学内に設置するなど、持続可能社会を支える産業の実現に向けて、産学官の連携によって本学の「知」の具体的な活用を促進しようと努力しています。さらに、本学は埼玉大学発の研究成果を市民に向けて広く発信していく連続市民講座の開催のほか、NPOや地域社会との連携にも力を入れています。

 大震災後の大学には、「知の府」、「学術の中心」として、復興と安全・安心な未来に貢献するという重大な課題が課せられています。埼玉大学は、基本方針の立場を貫いて、この課題に真正面から向き合い、埼玉の地に根を下ろしながら、高度な人材育成と学術研究のナショナルセンターになることに全力で取り組みます。私は、このような努力が実を結ぶことを確信しています。

国立大学法人埼玉大学長 上井喜彦


諸行事等における学長メッセージ