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地圏科学研究センター > 年報 > 第8巻
共通設備
自動表面張力計
協和界面化学株式会社  CBVP-Z
ニーズ
 岩石を多孔体とみなすと,岩石中にはマイクロポアからマクロポ
アまで様々な間隙が存在している.このような岩石中の毛管現象を
考える際には,間隙径のほかに溶液物性として液体の表面張力が必
要になる.すなわち,火山灰土で霜柱が高く立つように,マイクロ
ポアが多い材料の場合は溶液の吸い上げが高くなる.したがって,
固相-液相との反応フロントを推定する際には,不可欠のパラメー
タである.
装置の概要と表面張力測定の意義
 本装置はきわめて単純な原理からなっている.用意した溶液中に
白金プレートがあたると,メニスカスが生じるが,それを電気的に
とらえることにより,張力に換算する.化学便覧によれば,水の場合
は約 71.96 dyne/cm (25 ) であるが,水銀の場合は 482.1 dyne/cm
(25 ) にも達する.なお,海面活性剤の場合は,通常,水よりも小
さい値となり,海水や塩溶液の場合は大きくなる.ただし,海水な
どの混合物や塩類風化を考える際の各種塩類溶液については,ほと
んど求められていない.これは,溶液の表面張力は,温度依存性と
ともに濃度依存性があり,これらの組み合わせのデータを得ること
は容易ではないからである.
表面張力計
0 ℃における蒸留水および硫酸ナトリウム
飽和溶液に,6 時間浸漬させて放置した白浜
砂岩および結晶片岩の毛管上昇高さ (いず
れも直径 5cm,高さ 5cm の円柱状供試体)
本装置によるデータ例
溶液
表面張力
溶液温度
(mN/m)
計測時 ()
Na2SO4
75.7
19.5
MgSO4
77.5
21.1
Na2CO3
77.2
20.8
人工海水
73.7
21.8
蒸留水
73.4
18.5
※ 硫酸塩および炭酸塩溶液は,
20 ℃における飽和溶液を用いた
展望
 この値を綿密に調べることにより,海水(塩水)
浸入域や地下水帯における岩石-水相互反応の特
質や,塩害を受ける可能性がある地域における石
造構造物や土構造物の劣化の過程を研究が格段に
進歩する可能性を秘めている.
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