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地圏科学研究センター > 年報 > 第7巻
2 プロジェクト研究 II 報告
放射性廃棄物地層処分における、岩盤及び深層地下水の調査・解析・評価技術の開発研究
2.1 プロジェクト研究の目的
地圏科学研究センター設立目的の1つに、「高度危険廃棄物の深層処分の技術開発研究」
がある。これは、毒性の強い重金属、有機物、高レベル放射性廃棄物を地下深部に埋設し、
生物界から安全に隔離することによって処分する技術の開発を行うものである。この研究
では、現在とくに大きな問題となっている高レベル放射性廃棄物地層処分を取り上げ、
処分場の対象となる深層岩盤の地質学的・工学的性質と、深層地下水の性質に関する研
究を推進する事が基礎となる。本プロジェクトは、平成 13 年度から平成 19 年度までの 7
年をかけ、国内外の研究機関と密接に連携しつつ上記の研究を遂行し、放射性廃棄物など
の高度危険廃棄物の埋設処分の安全性を向上する技術を開発することである。
しかしながら、「地圏科学研究センターのプロジェクト研究、7 年間の成果概要」で述べ
たように社会的ニーズを考え、さらに平成 16 及び 17 年度の本センターの研究推進・評価
委員会で述べられた下記の意見、
「放射性廃棄物など高度に危険な物質を含む廃棄物処分技術の研究は重要であ
る。しかし、その技術は一般廃棄物処分にも使えるものであるから、研究対象
を厳しく限定せずに、開発された技術を広い範囲の地圏環境保全問題解決に向
けて応用する事を考えることも大事である。」
を考慮し、放射性廃棄物処分を対象に開発された技術を広く一般の地圏環境問題に応用す
る事も現在では重要な課題となっている。このように、本プロジェクト研究の内容は、社
会ニーズの変化や研究の進展によって、大きな研究目的は変わらないにしても少しづつ変
化してきている。
2.2 プロジェクトの進行状況
プロジェクトで実際に行ってきた研究開発テーマ、それらの進行状況、今後の予定につ
いて下図に整理して示す。プロジェクトは7年計画として進められている。最初の4年間
は主に放射性廃棄物処分に関わる解析等の個別技術を行ってきた。現在は個別技術開発と
共に、原子力研究開発機構が進めている幌延・瑞浪両地下研究所建設、及び日本原燃が青
森県六ヶ所村で進めている低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分場建設が本格化する事に
併せて、開発された技術を総合して実際の現場に適用して実用性の検証と改良を行う研究
も推進している。
平成 19 年度はプロジェクト期間の最終年度にあたる。19 年度の個別技術の開発につい
て見ると、ニューラル・ネットワークや遺伝的アルゴリズムによる地圏環境モニタリン
グシステム、トンネル壁面の蒸発計測技術開発についてはほぼ完成を見、実際問題に適
用している。しかしながら、バリア材としてのベントナイト(及びセメント)の工学的
物性研究、及び処分用坑道壁面周辺の劣化の研究、処分場トンネル周辺の、応力・地
下水・熱・物質変化総合解析システム開発、地下水中のフッ素など環境汚染物質の起源
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