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地圏科学研究センター > 年報 > 第7巻
1 プロジェクト研究 I 報告
都市域の地震被害の軽減と耐震性の向上の研究
1.1 プロジェクト研究の目的
「都市域の地震被害の軽減と耐震性の向上の研究」を目的とした本プロジェクトでは、
大地震による特に都市圏における被害を減少させるために重要な基本的な知見を得ること、
そして新しい技術を開発することを目標に、平成 13 年度から平成 19 年度までの 7 年をか
け、以下の課題を推進した。
1. 地震外力の評価の高精度化
2. 構造物の耐震性評価の高精度化
3. 土構造物の耐震性の検討
4. 都市システムの地震被害想定と安全性向上技術の開発
1.2 プロジェクトの進捗状況と今後の活動予定
1.2.1 地震外力の評価の高精度化:
地震工学においては、構造物への入力地震動である地表面での地盤震動を明らかにする
ことが、最も基本的な重要問題である。従来、地表面での地震動を検討する際には、地盤
を水平層としてモデル化し、多重(重複)反射理論に基づく SHAKE などのプログラムを
用いて、基盤での震動から地表面での震動を求めることが一般的である。しかしながら、
従来、地表面(地表層ではなく地上)の条件は全く無視されてきた。地表面は常に水平面
であり、何も存在しない面として扱われてきた。しかし、実際、地上には、凹凸をなす地
形があり、樹木が茂り、家屋・ビルが密集している。これらをすべて無視して良いかどう
かは検討に値するため、これらの影響を明らかにした。また、近年の構造物の巨大化・長
大化に伴い、一地点での地震動を明らかにするだけでは不十分であり、本研究では、時空
間関数として地震動を把握した。
1.2.2 構造物の耐震性評価の高精度化:
阪神大震災の被害を見てもわかるように、地震に対する国民生活の安全確保のために必
要な最大の課題は、木造家屋などの建物の耐震性を向上させることである。本研究では、近
年の計算機の機能の向上を、建物の地震応答崩壊解析に活用し、建物の弱点を発見し、効
率的な補強を行うためのプログラムシステムを開発し、その信頼性、汎用性、実用性を向
上させることを目的としている。
本耐震性評価方法では、まず建物を構成する柱・梁・壁などの各部材の強さを実験結果に
基づいて正確にモデル化する。次に、これらの部材を組み上げることにより、建物全体の
モデルを作成する。これに大地震で観測された地震動を与えることにより、建物がどのよ
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