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2021/03/01

埼大生考案の駅貼りポスターが、JR東日本公式アプリの認知度アップに貢献!?

主体的に学び、行動する力が身につく企業参加型授業「課題解決型長期インターンシップ」

Profile

経済学部 メジャー:経営イノベーション 2年生
尾形優太朗さん
(宮城県仙台二華高等学校出身)

 

企業・社会を知り、自ら主体的に行動する力を身に付けることを目的とした授業「課題解決型長期インターンシップ」。今回は、この授業を履修した学生をご紹介します!

提案したポスターが、実際に駅構内に掲示されたグループのリーダーにお話しを聞きました。

2020年2月17日に行われた提案発表の様子

実際の企業が直面するビジネス課題を学生たちの力で解決しよう!

大学の一般的な授業では、レポートなどの課題を提出しても成績に反映されるだけで、成果物に対する評価や感想が必ずもらえるとは限りません。その点、僕が1年生の時に履修した課題解決型インターンシップでは、学生が立案した内容や成果物について、企業の方から感想や評価をいただく機会が多く、貴重な経験ができました。

半年に渡って開講されるこのインターンシップでは、グループワークを通じて、企業から提示された課題に対する解決策を検討し、最終的に提案を行います。学年や学部に関係なく履修でき、通常の授業では味わえない経験を通じて、様々な面で成長できるので、これから埼玉大学に入学する後輩たちにはぜひ受講をおすすめしたい講義の1つです。

僕が受講した際の課題は、東日本旅客鉄道(JR東日本)大宮支社から提示された「鉄道輸送障害時の情報提供の強化」と「駅や車内でのマナー向上喚起」。学生たちはそれぞれ取り組みたい課題を選び、同じ課題を選んだ同士でグループ分けが行われます。そして、僕たちのグループは前者の課題に対し、「JR東日本がリリースしていて、電車の運行情報などをリアルタイムに確認できる『JR東日本アプリ』の周知を図ることを目的にポスターを制作する」という解決策を提案することに――。

アイデアを具現化する中で直面する課題にもその都度対処

僕たちの提案内容の最大の特徴は、ポスターに「JR東日本アプリ」のダウンロードサイトにリンクするQRコードを掲載する点。QRコードは、掲示する駅ごとに異なるものを印刷することで、利用者がアプリをダウンロードする際に、どの駅のポスターからアクセスしたかを把握できるようにします。そのアクセス数に応じて、駅に掲示するポスターの枚数を調整すれば、ポスターの効果をより大きなものにすることが可能になるという訳です。

ただし、この提案には問題がありました。立ち止まってスマートフォンのカメラで読み込ませなくてはならないQRコードは、通行の妨げになるため、通常、駅構内のポスターには掲載ができなかったのです。そこで、ポスターはQRコードのあるものとないものを作成し、QRコード付きのものは駅のトイレの中に掲示するということにしました。

また、授業の一環として実施された実証実験では、「現場に行って初めて気づくことがある」という事実を身をもって知ることになりました。試験的に作成したポスターを約1月間、「武蔵浦和駅」に掲示し、その印象などについて利用者への聞き取り調査を行ったのですが「利用者が多いからといって、必ずしもポスターを見てもらえるわけではないこと」が分かりました。武蔵浦和駅は、埼京線と武蔵野線の乗換駅なので、確かに利用客が多いのですが、先を急ぐ人がほとんどでトイレを利用してじっくりポスターを見る人は、想像より少なかったのです。

最終的な提案内容で、ポスターの掲示は、利用者が多い駅に集中させるのではなく、できるだけ多くの駅で行うことを推奨しているのは、実証実験の内容を反映したものになっています。

考案したポスター

トイレだけでなくホームの待合室にも掲示されています

実際の課題解決プロセスを経験し気づけた今の自分に足りないもの

授業の最後に行われた提案発表会では、はじめて取り組みを耳にする人でも理解ができるように、ポスターの内容はもちろん、課題がどのようなことで、それを解決するためにこれまでどのようなことに取り組んできたかを丁寧に説明するように心がけました。また、実証実験で収集できた「JR東日本公式アプリ」のダウンロード数のデータを示せたのも説得力を高める効果があったと思います。

当日は、たくさんのJR東日本大宮支社の方の前でプレゼンテーションを行いましたが、皆さんが真剣に耳を傾けてくれたのが印象的でした。学生の立場だと会うことも難しい役職者の方と意見交換もでき、非常に貴重な経験になったと思います。

提案発表会から8ヶ月ほど経った2020年10月には、僕たちが提案した内容を元に若干の改良を加えたポスターが、JR埼京線・川越線の戸田公園~川越駅の14駅で掲示されることになりました。大宮駅ではデジタルサイネージで投影されましたが、やはり自分が手掛けた成果物が世に出るのは嬉しいですし、学生のうちにそのような経験ができたのは大きな財産になったと思います。

課題解決型インターンシップでは、課題を解決する上で求められることと、自分のスキルにギャップがあることも知ることができました。例えば、QRコードの特性やサービス内容をきちんと理解していないことで、取り組みが先に進まないこともありましたが、そのような課題の改善の積み重ねの必要性が理解できたのも収穫の1つです。グループワークにおいて役割分担が重要なことも改めて感じましたが、それもこれも企画立案から発表まで、課題解決の一連のプロセスに携わったからこそでしょう。

色々と制約がある中で、目標を達成する楽しさにも気づけました。そのような思いも含め、課題解決型インターンシップで身についたスキルやナレッジは、きっと将来社会に出た時に大いに役立つものだと考えています。

写真部の尾形さん。共通の趣味を持つ仲間と一緒に 撮影を楽しんでいます♪

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