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2021/01/25

高齢者の交通事故を減らすための政策案を知事に提言

主体的に学び社会で必要とされる実践的なスキルを磨く「地域・都市計画エクササイズ」

Profile

(左から)

大学院理工学研究科 修士2年生
郝 寧寧さん
(山東省実験中学校出身)

大学院理工学研究科 修士2年生
髙橋 学さん
(東京都立日比谷高等学校出身)
※リモートにて参加いただきました

大学院理工学研究科 修士2年生
若林 航也さん
(静岡県立静岡高等学校出身)

 

学内外で活躍する埼大生をご紹介する本コーナー。

今回は、交通安全啓発の取組が評価され、埼玉県警から感謝状を贈られた、大学院理工学研究科の学生さんにお話しを聞きました!

県内で多発する高齢者の交通事故を減らすにはどうすればよいか?

埼玉大学大学院の理工学研究科には、通常の授業とは形式が異なる「地域・都市計画エクササイズ」という授業があります。これは講義と実習を組み合わせた実践的な学びができる授業で、私たち3人は2019年度に履修しました。

この年の授業のテーマは、高齢者の交通事故を減らす政策案を考えること。「県内の高齢者の交通事故が減らないという課題に対する解決策を、学生の自由な発想で考えて欲しい」という埼玉県警察からの要望に対する具体的な対策を立案し、大野元裕 埼玉県知事に提言を行いました。

4月から授業がスタートして、11月に行われた知事への政策提言では、4つの案を発表しましたが、いずれも「信号機のない横断歩道の手前で自動車の一時停止を促す」ことを目的としました。

そもそも、法律上、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている際には、自動車はその手前で一時停止をしなければなりません。しかし、このルールはあまり守られていません。そして、高齢者の交通事故は信号機のない横断歩道で多く発生しているのです。そこで、このような状況を改善しようと考えました。

提言した政策を採用した県警から感謝状贈呈

具体的な提言の内容は、次の通り。3人のメンバーが、それぞれ考えたアイデアを元に、議論を重ねてり上げました。

■政策案1:「止まれ」や「歩行者に注意」など、命令口調のものが多い交通標識や交通看板などとは一線を画す「止まってくれてありがとう」という感謝の気持ちを込めたメッセージを印刷した電柱幕を設置する(髙橋さん発案)

■政策案2:「信号のない横断歩道では停止してください」というメッセージを印刷したステッカーを制作、配布。ステッカーを自動車後部に貼ってもらい、後続の自動車のドライバーへの注意を喚起する(若林さん発案)

■政策案3:信号のない横断歩道周辺にカメラを設置し、一時停止しなかった自動車を自動判別し、該当するドライバーにSNSを介して横断歩道の手前での一時停止を促すメッセージを送る(郝さん発案)

■政策案4:信号のない横断歩道の手前で一時停止したら、ポイントが付与されるスマートホンアプリを作り、貯まったポイントは埼玉県内の企業で利用できるシステムの構築(髙橋さん発案)

この中で「感謝の気持ちを込めたメッセージを印刷する電柱幕」は、埼玉県警察に採用され、2020年の春から県内39の警察署に配布。信号機のない横断歩道脇の電柱に掲示されています。

そして、この取り組みが交通安全啓発に貢献したということで、埼玉県警交通部長から感謝状をいただきました。

施策が採用されたり、感謝状を贈られたことで、知事も警察も、学生である私たちの提言を真剣に聞いてくれたことが分かり、とても嬉しく感じました。また、微力ながら社会に役立つことができて充実感を覚えています。

(左から)郝さん、髙橋さん、若林さん、埼玉県警 関口交通部長

さいたま市中央区に設置されている電柱幕

多角的な視点を養うことの重要性を改めて実感

なお、「感謝型電柱幕」のアイデアは、自分が運転していて「普段見慣れている交通標識や看板の効果が薄れているのではないか?」と感じたことから生まれました。そして、ほとんどが命令口調で書かれている交通標識や看板の中で、メッセージが感謝口調で書かれていれば新鮮味があって注目度も上がると考えたのです。また、感謝型のメッセージが違反行動を抑制することは、心理学的にも効果があることが分かっているので、論理的に説明できたのもよかったと思います。

今回の取り組みで、視点を変えながら物事を考えることの重要性に改めて気づかされました。やはり、対策を講じる側の立場だけではなく、ドライバーの視点にも立たないと効果的な施策を立案することは不可能です。そのことを身をもって体感できたのは大きな収穫だったと思います。

また、社会人と学生でも考え方や目の付け所に違いがあることもわかりました。学生ならではの自由な発想が役立つ機会もあると思うので、今後、社会に出ても、そのような視点を持ち続けたいですね。

さらにビジネスの現場で必要になるプレゼンテーション能力を磨くには、場数を踏むことが一番効果的でしょう。その点、政策提言の場では、大勢の人たちの前でプレゼンテーションを行ったので、確実に経験値が上がったと思います。

様々なチャレンジができるのは、学生の特権です。「地域・都市計画エクササイズ」は、単に知識を蓄えるだけではなく「学んだ知識をどう使うか?」ということを実践する貴重な機会になりました。後輩たちには、ぜひこの授業を履修して、通常の講義では味わえない経験をしてほしいですね。

取材の様子。リモート参加の高橋さんも交え、和やかに行われました。

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