平成20年度文部科学省「大学院教育改革支援プログラム(大学院GP)」採択
地域環境保全エキスパート養成プログラム
現場支援型プロジェクトによる高度な環境技術者教育
プログラムの背景
埼玉地域は首都圏北部地域に位置し、都市郊外地域特有の様々な環境問題を抱えています。他方多様な業種の企業が多数立地し、環境にやさしい技術の開発、環境修復技術等様々な技術開発が模索されています。
一方、自然と共生する都市を創造していくためには、時間をかけた取り組みが必要ですが、十分な基礎知識に基づき長期間の事後評価を行う組織は、行政機構としても、外部団体としても存在していません。NPOを中心にした自然再生プロジェクトや都市環境再生プロジェクトにおいては、参加者の老齢化が進み、長期にわたる継続的な取り組みが不可能になる場合も少なくないという現実があります。
他方、環境科学や環境計画を学ぶ学生の環境保全技術、環境修復技術等への意識は高いものの、地域に反映可能な提案を実質的に実現できる場や機会は限られており、将来の就職とも結びつきにくい事実があります。そのため、テーマを絞った研究に専念することで大学院課程を終えている場合も少なくなく、課程修了後必ずしも大学院時代に習得した知識、技術を活かせるとは限りません。
埼玉地域では、産官の財政規模も比較的大きく、多種の民間企業も立地しており、住民組織も数多くあります。そのため、大学院在学中から学生自身が様々なプロジェクトを企画し参画することや、それらの経験を将来の就職や起業に役立てていくことも可能性として考えられます。
地域にあった環境保全・修復技術の開発や地域の環境修復を具体的に実践していくには、地域住民やNPO組織、行政との間の連携や協議が不可欠であり、また、環境修復技術の開発を行うには、地域住民社会の実情や行政の仕組みや意向等を総合的に理解し、場合によってはアイデアを実現できる企業との交渉等、様々な課題をクリアーしなければなりません。こうしたことは学生個人では現実的には困難であり、学生の間で協議を進めながら大学の支援を受けつつ、グループで組織的に進めることが重要となります。
本プログラムは、学生による現場支援型プロジェクトへの主体的な企画・参画を実現するための、学生によって構成される自主的な組織の形成と支援の仕組みを提供することにより、高度な実践的技術を備えた地域環境保全エキスパートを養成するものです。
プログラムの目的
本プログラムは、人間を含む諸生物が生存する様々な圏域における地球規模の環境問題を解決すべき課題として認識し、現代の科学技術を駆使しつつ環境問題のメカニズムを解明してその具体的解決手法を提示するとともに、人間社会が自然生態系と共存しつつ持続可能性を高めていくために有効な解決策をシステムとして構築できる、優秀な環境制御システム工学の専門家の養成を目指す教育課程として組まれています。本プログラムは、環境システム工学系専攻環境制御システムコースで開講されている、環境保全・修復に関わる個別の科目を履修しながら、実践力を養うことを目的として設けられるものです。すなわち現場支援型のプロジェクトを通して、学生の実践的な企画能力、開発能力を培い、さらには将来の就職後の活動の下地を涵養していくことを目的としています。
プログラムの概要
本プログラムは、埼玉大学大学院理工学研究科の博士前期課程環境システム工学系専攻内にある環境制御システムコースに位置づけられる教育課程です。環境科学及び環境計画を学ぶ学生が所属する環境制御システムコースに、学生による自立的な組織をつくり、教員および外部の研究機関やNPO法人等に所属する専門家、企業の専門技術者等から構成される支援組織(アドバイザーグループ)から指導や助言を受けつつ、地域住民やNPO、行政、企業の技術部門との連携活動を行い、埼玉地域に必要な環境保全、環境修復やそれらに関連する現場支援型プロジェクトを実現するための技術開発研究を企画・提案し実践していくシステムを構築するものです。
大学院学生の時代から、実際の社会で行われる業務に関わっていくことから、就職後の実践力を養うことで、課程修了後においても、民間企業や地元団体に対する就職の道を広げていくことにもつながるものであり、大学院修了後も継続的に関与することもできます。本学では既に「100年の森活動」や「荒川のレキ河原再生プロジェクト」等、学生が中心になって動いているプロジェクトが既に存在しており、こうしたプロジェクトを核にして組織化した学生組織として位置づけ、本プログラムの教育課程の中で科目履修と連動させることにより、地域環境保全のエキスパートの養成を実現することが可能です。すなわち、特定の地域に関連した環境問題に関心を抱いた複数の学生を組織化し、課題に関連する履修科目の選定を指導しつつ、「アドバンスト・インターンシップ」「課題抽出法」「実験計画法」の履修と重ねて主体的・自主的な研究の企画を展開させ、「環境制御システム特別研究T」「同U」で修士論文を完成させることにより課程修了にいたるものです。
履修プロセスの概念図
取組実施担当者
「地域環境保全エキスパート養成プログラム」は、次の教員スタッフによって運営されます。
| 窪田 陽一 | 代表 環境システム工学系専攻・教授 |
|---|---|
| 坂本 和彦 | 教育・研究指導 同・教授 |
| 吉門 洋 | 教育・研究指導 同・教授 |
| 河村 清史 | 教育・研究指導 同・教授 |
| 浅枝 隆 | 教育・研究指導 同・教授 |
| 王 青躍 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 藤野 毅 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 川合 真紀 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 山根 敏 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 深堀 清隆 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 長谷川 靖洋 | 教育・研究指導 同・准教授 |
| 関口 和彦 | 教育・研究指導補助 同・助教 |
| アイダジャロヴァ・ ヴィオレタ |
教育・研究指導補助 同・助教 |

