平成18年度文部科学省「資質の高い教員養成推進プログラム(教員養成GP)」採択
「協働する実践者」としての幼稚園教員養成
―幼小5年間のスペシャリスト養成をめざす地域連携型プロジェクト―
このプログラムは、文部科学省が平成17年度から、各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応したテ−マ設定を行い、各大学等から応募された取り組みの中から、特に優れた取り組みを選定し財政的支援を行うものです。
平成18年度は、全国の国公私立大学・短期大学から92件の申請があり、三つの分野で24件(採択率26.1%)が選定されました。(詳細はこちら「文部科学省HP」
)
平成18年度、教育学部から申請していた「幼稚園の教員養成」分野における上記のプロジェクトが採択されました。このプログラムが採択されたことは、本学の教育改革を推進する姿勢が認められたものであり、社会的にも高く評価されたと受け取ることができます
取組の概要
本取組は、幼小5年間の発達の連続性を踏まえた教員養成カリキュラムの整備、地域連携による子育て支援プログラムの実施、及び体験重視型授業への改革を進めることにより、協働する実践者としての幼稚園教員の養成を目指します。「協働する実践者」とは、発達や学びの連続性を踏まえた保育の展開力と保育カウンセリング・マインドを身に付け、子どもと共に保育を創り、保護者や教職員と連携して保育にあたることのできる教員を指します。
取組の概念図
本取組の目的
本取組は、「A.発達や学びの連続性を踏まえた教員免許等取得カリキュラムの整備」、「B.『学校フィールドスタディ』科目を活用した地域連携による『親育て・子育てサポーター』養成プログラムの開発」、「C.体験重視型授業への改革」を3本柱とし、幼小5年間(幼児期3年間、児童期2年間)の発達理解に基づいた保育展開力と、保護者への共感的理解が可能な保育カウンセリング・マインドを備えた教員養成を目的とします。
幼稚園教員が子どもと共に保育を創り出すという意識を持ってはじめて、子どもの発達に有意義な保育活動が展開されます。また、保護者と良好な関係を築き、連携して保育する力が求められています。さらに、教員が自分の教室の保育だけに力を注ぐのではなく、他の教職員とティームを組み、協力して園全体の教育力を高める努力が必要となります。このように、力量ある幼稚園教員には、子ども、保護者、教職員と協働できる資質が必要です。本取組は、上記A、B、Cを柱として、保育の展開力、保育カウンセリング・マインド、ティーム保育力を身に付けた「協働する実践者」の養成をめざすプロジェクトです。
実施体制
本取組は、教育学部長を総括責任者、乳幼児教育講座を中心として、埼玉県、さいたま市両教育委員会、さいたま市私立幼稚園協会、埼玉県国公立幼稚園園長会、埼玉県国公立幼稚園研究会のご協力の下、教育学部全体で取り組みます。地域の幼稚園、家庭との連携の窓口となる「さくら子育てリソースセンター」を学内に新設します。このセンターは「学校フィールドスタディ推進委員会」、附属小学校、および附属幼稚園と連携して、プロジェクトを推進させます。
実施内容の項目
A 発達や学びの連続性を踏まえた教員免許等取得カリキュラムの整備
1. 幼稚園と小学校の両免取得カリキュラムの整備
2. 保育士資格取得カリキュラムの用意
B 地域連携による「親育て・子育てサポーター」養成プログラムの開発
3. 子育て支援の体験学習
4. 家庭教育学級のサポート
5. 親子学習プログラムの開発
6. 親子ふれあい体験の実施
C 体験重視型授業への改革
7. 延長保育・預かり保育のサポート
8. 幼小連携活動への参加
9. 遊びのプロフェッショナルによる特別授業
本取組の有効性
教員の資質向上への貢献
幼稚園に親の育児不安への対応と共に、地域の教育力支援の役割が求められている現在、若い幼稚園教員の育児不安への対応力育成は重要な課題です。それを解決しようとする本取組は、幼稚園のみならず「認定子ども園」等の総合施設の取組にも対応可能な教員を養成できます。また、地域貢献の経験を積んだ学生は、地域の中核としての幼稚園の役割を強く意識した教員になると期待されます。加えて、幼小5年間の教育の指導者を地域に送り出そうとする本取組は、地域から信頼される幼稚園の再生へとつながります。
地域・他大学への波及効果
本取組は、「保育カウンセリング・マインド」を教員の重要な資質と捉え、養成過程において獲得させることを目指します。現代的課題を基に、教員に要求される資質を養成過程に具体的に取り入れた取組は、今後、教員養成が現代的課題を迅速に取り入れ、教育現場の要請に応えていくことへの突破口となると考えられます。
「親子学習プログラム」は、附属学校園の他、さいたま市桜区の子育て支援事業、県下の子育てネットワーカー等、県行政、公私の諸組織との協力体制の下で進行します。「さくら子育てリソースセンター」を中心として、大学が公・私的組織間の橋渡しの役割を担い、地域貢献を果たすと同時に、県下の子育て支援活動に新しい空気を送り込むことにもなります。
保護者との関わりは教育現場が抱える問題の一つであり、「親子学習プログラム」の開発は幼稚園以外の現職教員にとっても必要です。よって、本取組が開発する「保育カウンセリング・マインド」獲得のプログラムは、現場職員の研修にも貢献し得ると考えます。

