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名前:宮元 信也 日時:2005年01月19日 22時13分38秒

中和滴定の実験でいま弱酸と強塩基でやろうとしています.
フェノールフタレイン(?)溶液を使わずに,pHメーターを使って,どうやって当量点を見つけるのでしょうか?
また,pHジャンプ(いきなりpHがあがるところ.)の始点と終点はどこなのでしょうか?

わかりにくいとおもいますが,おねがいします...
2回もすいません.E−mailわすれてました.

名前:芦田 実 日時:2005年01月25日 01時15分00秒

宮元 信也 様

 必ずしも専門家ではありませんので,不正確な回答もあります.教育学部から公開しているホームページの質問箱とQ&A集にも回答(一部)を載せたいと思います.

質問193 中和滴定の実験をいま弱酸と強塩基でやろうとしています.フェノールフタレイン(?)溶液を使わずに,pHメーターを使って,どうやって当量点を見つけるのでしょうか?また,pHジャンプ(いきなりpHがあがるところ.)の始点と終点はどこなのでしょうか?

回答 弱酸と強塩基の具体的な名前が書いてありませんので,酢酸と水酸化ナトリウム水溶液だと仮定して回答します.詳細な滴定曲線やシミュレーションに関しては,私のホームページ中の「計算と作図(データ処理とグラフィック)」の中の「酸・塩基滴定(1価)」のプログラムを実験条件(試薬,濃度,滴下試薬等)を変更して実行してみて下さい.このプログラムによる滴定曲線の計算例を図に示します.このプログラムはダウンロード(zipファイル)も可能です.



 塩基を滴下した場合には,横軸の滴下量が小さいときに酸性側(下側)の曲線(白色,青色)となります.酸を滴下した場合には,横軸の滴下量が小さいときに塩基側(上側)の曲線(黄色,水色)となります.塩基性領域で上側の青色と水色の曲線は,酢酸と水酸化ナトリウムの濃度を両方とも1.0 mol/Lとして計算しています.塩基性領域で下側の白色と黄色の曲線は,酢酸と水酸化ナトリウムの濃度を両方とも0.10 mol/Lとして計算しています.酸性側の曲線は試薬調製時の濃度を変えても影響をほとんど受けませんが,塩基性側の曲線は調製時の濃度によってかなり変化します.その他,塩基を滴下した場合と酸を滴下した場合で,酸性側の曲線の形(pH)が違うことに注意して下さい.
 酢酸と水酸化ナトリウム水溶液の場合には,pHの値が8〜9を通過するときを当量点とすれば良いと思います.濃度によって少し変わりますが,pHジャンプする領域は7.5〜10だと思います.この付近は1滴以下の量でpHジャンプしますので,1/4滴程ずつ壁に付けて慎重に滴下して下さい.
 酢酸と水酸化ナトリウム水溶液以外の系では,特に弱酸の電離定数によって,酸性側の滴定曲線の位置が上下にシフトすると思います.しかし,弱酸の具体的な名前が書いてないので,これ以上はどうにもなりません.後はご自分で計算したり,実験してみて下さい.その他,pHメーターで測定する際に,被滴定液をかくはんしているときと,かくはんを止めたときで,pHの値が少し違うと思いますので,注意して下さい.

埼玉大学教育学部理科教育講座
芦田 実

名前:宮元 信也 日時:2005年01月28日 11時53分48秒

ありがとうございました.
月曜実験なんでがんばりたいとおもいます.