前に戻る

名前:大野まどか 日時:2004年09月04日 18時29分35秒

はじめまして.
アルコールとエーテルについてなのですが,
メタノール,1−ブタノール,ジエチルエーテルの液性が実験より中性と分かりました.
でもなぜ中性になるのかが分かりません.
融点や有機溶媒は関係あるのですか?
あと,アルコールとエーテルの,水や有機溶媒への溶解性の違いって何なのですか?

すみません,本当にわからなくて・・・
よろしくお願いします.

名前:芦田 実 日時:2004年09月06日 11時00分00秒

大野まどか 様

 必ずしも専門家ではありませんので,不正確な回答もあります.教育学部から公開しているホームページの質問箱とQ&A集にも回答(一部)を載せたいと思います.

質問142 アルコールとエーテルについてなのですが,メタノール,1−ブタノール,ジエチルエーテルの液性が実験より中性と分かりました.でもなぜ中性になるのかが分かりません.融点や有機溶媒は関係あるのですか?あと,アルコールとエーテルの,水や有機溶媒への溶解性の違いって何なのですか?

回答 水溶液の液性(酸性・塩基性・中性)を調べたのか,純物質の液性を調べたのか,実験の方法が書いてありません.実験方法によって中性の意味がかなり変わると思います.
 この質問は,なぜ塩酸は強酸性で,酢酸水溶液は弱酸性で,水は中性なのですか,という質問と同レベルだと思います.イオンに電離するよりも,分子の状態のほうが極端に安定だから中性なのだと思います.また,液性は環境(濃度,溶媒の有無と種類,温度,共存イオンなど)によって影響されます.一般に,融点(温度)や有機溶媒(極性)はイオンの電離平衡に関係します.しかし,この場合は分子のほうが極端に安定ですから,それらの影響はほとんど無視できると思います.
 アルコール性(-OH)とエーテル結合(-O-)の部分は親水性です.炭素鎖の部分は疎水性で,鎖が長くなるほど(メタノールよりも1−ブタノールのほうが)疎水性が大きくなります.これらの溶質の親水性・疎水性と溶媒の親水性・疎水性との関係で溶解度が決まると思います.すなわち,似たもの同士はよく溶け合います.溶解度の詳細については,質問10296403424〜2120等の回答をご覧下さい.

埼玉大学育学部理科教育講座
芦田 実