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計算方法
 調製前の炭酸ナトリウム無水物または十水和物の質量をMa(g),これを溶解する水(溶解水)の質量,体積と密度をMb(g),Vb(mL)とDb(g/mL)とします.調製後の水溶液の質量をM(g),体積をV(mL),密度をD(g/mL),質量百分率濃度をW(%),モル濃度をC(mol/L)とします.さらに,溶液体積/溶解水体積をR,炭酸ナトリウム無水物または十水和物のモル質量をF(g/mol),炭酸ナトリウム試薬中の無水物の百分率をQo(%)とすると,次式のような関係があります.

  W=MaQo/M, M=Ma+Mb=VD, Mb=VbDb, C=1000Ma/FV, R=V/Vb, 1 L=1000 mL,

  無水物のQo=100 %, 十水和物のQo=105.99 g/mol÷286.14 g/mol×100 %=37.041 %

これらの式と既知の値を用いて未知の値を求めることができます.濃度から密度を求めたり,溶液体積/溶解水体積から濃度を求めるときは上の表を使います.

調製方法
 必要な器具は,前もって洗浄し乾燥しておきます.
1 作成する容量がはかれるメスシリンダー(例えば,500 mL作成するなら500mLまたは1000mL)で蒸留水をはかりとります.
2 天秤を用いてビーカーに炭酸ナトリウム無水物または十水和物をはかりとり,1ではかりとった蒸留水を加えてよくかき混ぜます.
3 必要ならば,試薬ビンに移して保管します.試薬名,濃度,作成日,作成者などを書いたラベルを付けましょう.

注意事項
 炭酸ナトリウムは加水分解して,水溶液がアルカリ性になります.水溶液が目に入ったり,皮膚についたら直ぐに水で洗い流しましょう.
 正確な濃度が必要な場合には,濃度がわかっている酸で滴定して,正確な濃度を決定しましょう.
 炭酸ナトリウム無水物の固体(粉末)には潮解性があり,炭酸ナトリウム十水和物の固体(粉末)には風解性があります.質量をはかるときは手早く行いましょう.残りの固体は,直ぐにビンのふたをしっかり閉めて保管しましょう.
 天秤を使うときは粉末をこぼしても大丈夫なように,天秤の皿とビーカーの間に紙(薬包紙など)を敷きましょう.
 天秤は慎重に取り扱い,薬品をこぼしたら直ぐに掃除しましょう.はかれる範囲は天秤によって異なります.最大秤量を超過しないように注意しましょう.