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固体無水物の溶解度曲線
 上のJava Appletプログラムで使用している固体無水物の溶解度(飽和濃度)曲線とその数値を下に示します.


図1 固体無水物の溶解度(g/水100g)と温度の関係

表1 固体無水物の溶解度(g/水100g)と温度の関係
温度,℃010202530405060708090100
ショ糖 189.86197.62203.03216.06235.23256.00286.85319.82362.96417.33491.72
NaCl35.6935.7035.8335.9236.0536.3336.6737.0837.4938.0138.5839.28
KCl28.0731.2334.2335.8737.1740.0642.8645.7748.5451.2953.8056.25
KBr53.6159.4965.0267.7970.6576.0680.8385.5390.2694.9399.64104.08
NaHCO36.938.139.5510.2811.0612.7314.4716.4118.2920.1822.0023.61
KHCO322.8527.8833.3336.2439.0845.5651.9860.00    
H3BO32.773.654.885.746.778.9011.4014.8918.6923.5529.8737.99
NaNO373.0180.5187.9791.9496.08104.92114.13124.22135.57148.14160.76175.48
KNO313.2521.9531.5837.9345.5663.9385.19109.21135.85168.82203.03244.83
70℃と90℃の数値は内挿値です.


図2 固体無水物の溶解度曲線(質量%)と温度の関係

表2 固体無水物の溶解度(質量%)と温度の関係
温度,℃010202530405060708090100
ショ糖 65.5066.4067.0068.3670.1771.9174.1576.1878.4080.6783.10
NaCl26.3026.3126.3826.4326.5026.6526.8327.0527.2727.5427.8428.20
KCl21.9223.8025.5026.4027.1028.6030.0031.4032.6833.9034.9836.00
KBr34.9037.3039.4040.4041.4043.2044.7046.1047.4448.7049.9151.00
NaHCO36.487.528.729.329.9611.2912.6414.1015.4616.7918.0319.10
KHCO318.6021.8025.0026.6028.1031.3034.2037.50    
H3BO32.703.524.655.436.348.1710.2312.9615.7519.0623.0027.53
NaNO342.2044.6046.8047.9049.0051.2053.3055.4057.5559.7061.6563.70
KNO311.7018.0024.0027.5031.3039.0046.0052.2057.6062.8067.0071.00
70℃と90℃の数値は内挿値です.

注意事項
 炭酸水素ナトリウム(重曹)NaHCO3は少し加水分解して,弱いアルカリ性になります.目に入ったり,手についたりしないように注意して下さい.
 炭酸水素カリウムKHCO3も少し加水分解して,弱いアルカリ性になります.目に入ったり,手についたりしないように注意して下さい.
 ホウ酸H3BO3の構成元素であるホウ素Bは有害な物質であり,「人の健康の保護に関する環境基準」に1mg/L以下と規定されています.さらに,ホウ素及びその化合物の「一律排水基準」は10mg/L以下と規定されています.実験後の廃液は必ず専用の容器に保管して下さい.ホウ酸を流しに捨てる場合は水で0.057g/L以下に希釈する必要があります.これは,ホウ酸1g当たりに水17.5Lとなり,希釈することがとうていできません.
 硝酸ナトリウムNaNO3は可燃物(有機物,炭,イオウ,赤リン,アルミニウム等)と混合して加熱したり,衝撃を与えると発火や爆発の危険があります.さらに,硝酸ナトリウムを加熱すると有毒な窒素酸化物と助燃性の酸素を生じます.取り扱いには充分に注意して下さい.保管するときは可燃物と隔離して,湿気を避けて下さい.
 硝酸カリウムは黒色火薬の原料でもあり,可燃物(有機物,炭,イオウ,赤リン,アルミニウム等)と混合し,加熱したり,衝撃を与えると発火や爆発の危険があります.さらに,硝酸カリウムを加熱すると有毒な窒素酸化物と助燃性の酸素を生じます.取り扱いには充分に注意して下さい.保管するときは可燃物と隔離して下さい.

計算方法
 入力した温度における溶解度(飽和濃度)は上の表から内挿法で求めます.溶媒(水)の量をVo(g,mL),溶質(固体無水物)の全質量をMt(g),そのうち溶解している質量をMy(g),析出している質量をMs(g),上澄み液の濃度をUh(g/水100g)およびUp(質量%),溶解度(飽和濃度)をYh(g/水100g)およびYp(質量%)とします.さらに,飽和濃度に調節するために必要な溶質の追加・除去質量をMb(g),または飽和濃度に調節するために必要な溶媒(水)の追加・濃縮量をVa(g,mL)とすると,次式のような関係があります.これらの式と既知の値を用いて未知の値を求めることができます.

溶解度に達しているとき  Mt=My+Ms, Yh=Uh=100My/Vo, Yp=Up=100My/(Vo+My), Yh=100Yp/(100−Yp),

  Yp=100Yh/(100+Yh), My=VoUh/100, Mb=−Ms, Va=100Mt/Yh-Vo

溶解度未満のとき  Mt=My, Ms=0, Uh=100Mt/Vo, Up=100Mt/(Vo+Mt), Uh=100Up/(100−Up),

  Up=100Uh/(100+Uh), Mt=VoUh/100, Mb=(Yh−Uh)*Vo/100, Va=100Mt/Yh-Vo