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計算方法
 濃塩酸(塩化水素の水溶液)の体積をVa(mL),それに溶けている塩化水素の質量をMa(g),希釈水の体積をVb(mL),水の全部の質量をMb(g),溶液の質量と体積をM(g)とV(mL),溶液の密度をD(g/mL),質量百分率濃度をW(%),モル濃度をC(mol/L),溶液体積/希釈水体積をQとします.さらに,塩化水素の式量をF(g/mol),濃塩酸の質量百分率濃度と密度をWc(%)とDc(g/mL)とすると,次式のような関係があります.

  Ma=VaDcWc/100, Mb=Vb+VaDc(100−Wc)/100,

  W=100Ma/M, M=Ma+Mb=VaDc+Vb=VD, C=1000Ma/FV,

  Q=V/Vb, 1L=1000mL

これらの式と既知の値を用いて未知の値を求めることができます.濃度から密度を求めたり,溶液体積/希釈水体積から濃度を求めるときは上の表を使います.

調製方法
 必要な器具は,前もって洗浄し乾燥しておきます.
1 作成したい容量がはかれるメスシリンダー(たとえば350mLを作成するなら500mL)で蒸留水をはかりとり,ビーカーに移します.
2 別のメスシリンダーで濃塩酸をはかりとり,1のビーカーに少しずつよくかき混ぜながら加えていきます.
3 必要ならば,試薬ビンに移して保管します.試薬名,濃度,作成日,作成者などを書いたラベルを付けましょう.

注意事項
 濃塩酸のビンの中には塩化水素のガスが充満していて,フタを開けるときにガスが噴き出します.ガスや飛沫が目に入らないように注意しましょう.また,ガスには毒性があり,刺激臭があります.ガスを吸わないように換気の良い所で取り扱いましょう.
 濃塩酸が目に入ったり,皮膚についたらすぐに水で洗い流しましょう.
 濃塩酸を水で希釈するときは,発熱するので注意しましょう.溶液の体積を調整する場合には,冷えてから行いましょう.
 市販品の濃度は推定値で,飽和に近い濃度です.正確な濃度が必要な場合には,濃度がわかっている塩基で滴定して,正確な濃度を決定しましょう.